フルサイズに移行したけど、マイクロフォーサーズの方がよかったなあ
メイン機をマイクロフォーサーズからフルサイズに移行して1年ぐらい経過しましたが、意外とマイクロフォーサーズの方が良かったなあと後悔することも多かったので、その点をまとめていきます。
この記事の対象者
- これからカメラを始めたいがマイクロフォーズで良いのか悩んでいる方
- マイクロフォーサーズ(ないしAPS-C)を持っていてフルサイズ移行を考えている方
フルサイズに移行して後悔したデメリット
とにかく重い
フルサイズに移行して一番感じるのがやはりこれです。
これは本当にマイクロフォーサーズを持ってからフルサイズに移行すると感じるデメリットです。
マイクロフォーサーズのフラッグシップレベルとフルサイズのエントリー機で比較してみます。
センサーサイズ | ボディ | レンズ(F2.8標準ズーム) | 総重量 |
---|---|---|---|
マイクロフォーサーズ(フラッグシップ) | OM-1(511g) | 12-40mm F2.8 PRO II (384g) | 895g |
フルサイズ(エントリー機) | a7c(424g) | 28-75mm F/2.8 Di III VXD G2(540g) | 964g |
フルサイズ(中級機) | a7Ⅳ(573g) | FE 24-70mm F2.8 GM II(695g) | 1268g |
マイクロフォーサーズに関してはOM SYSTEMさんのフラッグシップに大三元ズームという一番重くなりやすい組み合わせです。フルサイズに関しては、軽量で有名なSONYさんのエントリー機と中級機で揃えております。
また、レンズを純正の大三元だけにすると比較にならないのでエントリー機のa7cにはTAMRONさんのF2.8通しのレンズをつけてみました。
結果、ここから見えることとしては
ただし、SONYだから軽いですがニコンのフルサイズは一番軽くても675gです。重いです。
ちなみに今回は【F2.8の標準ズームレンズ】で比較しましたが、レンズによってはもっと重量差の出やすいレンズ群もあります。
【センサーサイズで重量さの大きくなるレンズ】
広角レンズ、望遠レンズ、大三元レンズ、F値が2以下の単焦点
これらの”カメラでないととれない描写”をしてくれそうなレンズ群は軒並みフルサイズは大きくなりがちです。
実際に、マイクロオーサーズからフルサイズに移行すると
リュックが重い
首からぶら下げ続けるのもしんどい
ずっと持っておくのも手首が疲れる
って感じでストレスは明らかに増します。
レンズ1本1本が高い
重さは個人の筋力や気合いで乗り越えるとしても、どうしても絶えようがないのが「費用」です。
フルサイズのレンズは高いです。特にマイクロフォーサーズからフルサイズに移行を考えている方は
もっとぼかした写真を撮りたい
フルサイズならではの綺麗な描写で撮影してみたい
より広角で風景をダイナミックに撮りたい
というようなマイクロフォーサーズでは難しい表現をしたいはずです。これらをフルサイズで実現させようとすると、高いレンズしか選択肢に残らない可能性が高いです。
マイクロフォーサーズ | フルサイズ | |
---|---|---|
F1.8の単焦点レンズ | 40,000円程度 | 80,000円程度 |
大三元 標準 | 100,000円程度 | 300,000円程度 |
広角 小三元 | 140,000円程度 | 200,000円程度 |
望遠 600mmF4 | 400,000円程度 | 1,500,000円程度 |
ちなみに各レンズのおおよその金額を並べてみました。もちろんサードパーティや中古を検討すればもっと差が開いたり縮んだりしますが、おおよそこんなもんです。
1本あたりでこれぐらいの費用差ですから、ある程度レンズを揃えようとすると数十万円、場合によっては百万円単位で費用が変わります。
マイクロフォーサーズの時は
レンズ1本買い足してみよう
のノリで購入できていたのが
広角欲しいなあ。。いや、でもそこまで使わないか。。単焦点1本売ったら。。。
みたいにレンズ1本に非常に悩まないといけなくなります。
寄れない
これは実際に、システム移行して思いましたが
というより
が正しいのでしょうか。
街スナップや公園などで、ちょっと花に寄って近接撮影しようとすると
あれ、今までこの距離で撮れたのに。。
みたいなことが頻繁に起こりました。マイクロフォーサーズの場合、マクロレンズがなくてもハーフマクロぐらい寄れるレンズも多いですし、そうでなくても割と寄れます。
ただ、フルサイズはしっかり性能をみてから使わないと全然寄れません。
気軽にマクロ撮影をしたいと考えている方は注意して欲しいポイントです。
望遠が辛い
言わずもがなですが、マイクロフォーサーズは望遠に強いです。
例えば望遠の大三元ズームでも
マイクロフォーサーズ:40〜150mm(換算80〜300mm)
フルサイズ:70〜200mm
100mmぐらい望遠域が変わります。
また、レンズの重さや大きさも数倍単位で変わってきます。マイクロフォーサーズの望遠レンズはほとんどのレンズが手持ちで余裕で運用できますが、フルサイズは現実的ではありません。
また、大きさに比例して費用も数倍単位で違いますので、
費用を抑えて望遠撮影をしたい方は絶対にフルサイズを選んではいけません。
改めて感じたマイクロフォーサーズのメリット
改めて小型軽量を実感
全て上記の逆を言うだけになりますが、マイクロフォーサーズは本当に小型で軽量です。
特にレンズで大きな差が出ます。
センサーサイズ | ボディ | レンズ(F2.8標準ズーム) | 総重量 |
---|---|---|---|
マイクロフォーサーズ(フラッグシップ) | OM-1(511g) | 12-40mm F2.8 PRO II (384g) | 895g |
フルサイズ(エントリー機) | a7c(424g) | 28-75mm F/2.8 Di III VXD G2(540g) | 964g |
フルサイズ(中級機) | a7Ⅳ(573g) | FE 24-70mm F2.8 GM II(695g) | 1268g |
先ほど比較したこちらですが、そもそもマイクロフォーサーズはフラッグシップでの比較になっています。
これ以上ない最高のマイクロフォーサーズの描写性能を準備してもフルサイズのエントリーセット以下の重さです。数字だけではピンとこないかもしれませんが、使うとマイクロフォーサーズに戻りたくなるぐらい軽さのメリットが大きいです。
気軽に様々なレンズを楽しめる
これも先ほどの逆ですが、マイクロフォーサーズの魅力は「レンズが安い」ことだと思っています。しかも、安かろう悪かろうではなく、マイクロフォーサーズの最高峰のレンズがフルサイズの標準性能程度のレンズ費用で購入できるのです。
マイクロフォーサーズで、広角・標準・中望遠の単焦点を3本揃えても10万円程度です。フルサイズなら25万円は超えます。
最初は、いろんな画角のレンズを揃えて
いろんなレンズを持っている所有欲
撮影に応じてレンズを交換する楽しさ
画角やF値による描写の違い
を知ることができるマイクロフォーサーズのレンズの揃えやすさは非常に魅力的です。
普通に綺麗な写真が撮れる
そして、これが非常に重要ですがぶっちゃけスマホで見る分にはマイクロフォーサーズで撮影しようがフルサイズで撮影しようがほとんど画質は変わりません。
カメラガチ勢のように写真の四隅を拡大して比較すれば差は出ますが、インスタで写真を観てもどのセンサーのカメラで撮ったかわかるような方はほとんどいないでしょう。
フルサイズの方が画質が良くて圧倒的に綺麗な写真がとれる
と期待してシステム移行するのは次期尚早かもしれません。本当にセンサーサイズで撮りたい写真が撮れるようになるのかは一度検討しましょう。
ほとんどの方(ライトな趣味ユーザー)にとっては、マイクロフォーサーズの方が幸せになれるはずです。
本格的に「描写力」にこだわらないならマイクロフォーサーズがおすすめ
こちら、マイクロフォーサーズからフルサイズに移行して感じたデメリットをまとめてきましたが、結論
になります。
ぶっちゃけ趣味の範囲において、フルサイズを持つことは「所有欲を満たす」こと以外にメリットがありません。
手ぶれ補正、連写性能、ファイルの軽さ、費用、持ち運びやすさなど
多くの項目でマイクロフォーサーズがフルサイズより優位です。一般的な趣味用途においては、「暗所性能」が唯一のフルサイズの優秀ポイントになりそうです。
ただ、最近のマイクロフォーサーズも暗所性能は上がってきているのでその差すらも趣味なら気にならないでしょう。
もちろん、仕事にしたい場合は
フルサイズのカメラ必須
となっている求人票も多いですし、顧客に対しての見栄えでフルサイズが必要になる場面も多いので、しっかり用途に応じて検討してください。
コメント